恋なんてするわけがないっ‼





「大地、あんたムードも何もあったもんじゃない……こんなところで。」




彼女から落胆した声で言われる。
かわいそうなやつ、とも彼女の口から聞こえる。




「そういうのは夜景の見えるレストランでディナーの終わったあとにって何度も言ってるでしょ。」




うん、聞いたね。
自分でもさっき思い出したぐらいだし、相当な回数聞いたんじゃないかな。



いや、でも告白する身になってみろよ。
俺なんて何年ものだよ、8年ものだっけ?
結構熟成されてるからね。そんな思いが考える間もなく突然出ちゃったわけ。
無理だって、好きな子前にそんな余裕ないから。



自分でもどうしようもないくらいアホみたいな言い訳が頭の中をすごい勢いで駆け巡った。



そのぐらいしないとこのあとの衝撃に耐えられそうにない。




わかっててもつらいなぁ、とため息をついた。









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