恋なんてするわけがないっ‼






「田邊君がミスをすること、おかしくないと思うの。」





何言ってるんだろう、この人。




異常なまでにミスをする僕が当たり前だって言いたいの?




普通じゃないと思います、と少しいじけた声が出た。




彼女は、普通……と小さく呟いて少し間を持ってから口を開いた。





「田邊君、君は世の中に物凄く頭のいい人がいると思う?」





なんの話、さっきからおかしい。
紀田さんは何が言いたいんだろう、と彼女に対する疑問が募る。




それはいると思う。
学生のときの模試だってずば抜けて偏差値の高い人がいるのは誰もが見たことあるはず。




「なら、その逆もまたいるわけよね。」




いるだろう。
僕はそんなに悪いほうじゃなかったけど、クラスだって模試だってテストで0点取っちゃうような人はいた。






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