恋なんてするわけがないっ‼





確かにそうだ、飛び抜けて上がいるなら飛び抜けて下がいて不思議じゃない。





何をそんなことを悩んでいたんだろう。




いつもみたいに明るく前向きにやればいいじゃないか!




「………あの、ありがとうございます。そうですよね。僕も、それが普通だと思います。」





多分変な顔をしているんだろうな、自分は。そう思いながら紀田さんにお礼を言う。






「そうね。良かったわ。田邊君が元気になって。」




ふふっ、と紀田さんが優しく笑ったのを純粋な気持ちで綺麗だと思った。




白いお花が見えた気がしたんだ。






単純な僕はこの時を境に紀田さんへの気持ちは変わって、段々好きになっていった。




多分すでにこの時に恋に落ちていたんだろうけど、流石に自分でも単純すぎると思うからそういうことにしておく。









それから紀田さんが僕のデスクにおいたファイルは部長に提出するもので、僕の仕事だったけれど紀田さんがやってくれていた。



早く帰ろうと言って紀田さんはその後も僕の仕事を手伝ってくれて、そのおかげで定時から3時間たった頃には全て終わった。










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