恋なんてするわけがないっ‼
「あのう、紀田さん。幹部入りおめでとうございます。」
大体の荷物をまとめ終えたところで、いつの間にか隣に来ていた田邉君に、祝いの言葉を掛けられた。
少し、……いや結構、寂しそうに「これからはもう気軽に資料の確認とかしてもらえませんよね……」と言う彼は抱き締めたくなるくらいのかわいさだ。
「そんなことないわよ。これからも喜んで確認でもなんでもするよ?」
「ほんとですか!?嬉しいです!
これからも指導よろしくお願いします!!」
ペコリとお辞儀をする田邉君が、本当に犬に見えてきて、思わず頭を撫でてしまう。
「わ、あ、の……紀田さん……?僕はこどもじゃないですよぅ……」
恥ずかしさか、頬を染める田邉君。
それも可愛くてもっとワシャワシャし始める。
「き、紀田さぁん……もうやめ……」