恋なんてするわけがないっ‼
「櫻井さん」
櫻井さんは思わぬところで見つかった。
「煙草、吸うんですね。」
会社の一番上の階の喫煙ルーム。
最上階は社長室と会議室があるのだが、
ここの会議室は特別なお客様が来たときに一部の人が使うくらいで、その上一番奥にある喫煙ルームにわざわざ行く人はあまりいない。
櫻井さんはまだ長い煙草を灰皿でもみ消して捨てた。
私に喫煙ルームを出るように促して、櫻井さんも後から出てきた。
「身体に毒だから入らないほうがいい。
それで、どうした?何か用があるんだよな?」
自分がその毒を吸っているのはどうなんですか、と思ったが何となく聞かないで本題に入ることにした。