恋なんてするわけがないっ‼
「見惚れてんの?それとも誘ってる?」
ニヤリとした顔でそう言われて、当たり前だけど見ていたことが見つかって焦る。
「さ、誘ってない!朝からそんな変なこと言わないでよ!」
そう言ってとっさに藤沢の胸を押し返したが、触ってしまった、と一人でまた焦る。
「………朝じゃなかったらいいのかよ。」
フッと鼻で笑われる。
藤沢には敵わない。
私が深く考えずに口に出すのがいけないのだろうが、いつも痛いところを突いてくる。
こちらがそうされて、向けどころのないモヤモヤを抱えると必ずその後にフォローが入るのだが。