恋なんてするわけがないっ‼




「なに……?どうしたのさっきから。」






不思議に思って、というより奇妙に思って尋ねると益々藤沢は楽しそうに笑う。





「お前、気付いてないかもしれないけどホッとした顔してる。出掛けるってわかって顔の筋肉緩んだんだろ。」






私は考えてみる。





確かに落ち着いてるかもしれない。
いや、でもこの車内に流れているお洒落な音楽の効果かもしれない。





「お洒落な音楽が流れているからじゃない?」






「行きも流れてたけど」





勝ち誇った笑みを浮かべる藤沢に、大人気ない、と小さく抗議するも、お前もな、と言われて何も返せなくなる。






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