Bar Atelier
3.両想い



寝たのが朝方だった2人。


14時頃先に目を覚ましたのはサクラだった。





「ん…」


窓の外を見ると雨は止んでいて、眩しいほどの日差しが部屋に差し込んでいた。



ふとソファに目をやると、愛しいアキラの姿。


寝顔見たさに近付くサクラ。


「……可愛い」


クスクスと笑うサクラ。


サラサラの黒髪に手を伸ばし、優しく撫でると、ピクッと動いた。


「ん……?」


薄っすらと目を開けるアキラ。


「サクラ…?」


「わ、ごめん。起こしちゃったね」


寝ぼけてるアキラも可愛い。



「…今何時……?」


「14時だよ。まだ時間あるしもう少し寝ててもいいよ?」




「んー…」


「ふふふ、アキラまだ眠いんでしょ」



目をこすり、少し上体を起こしたアキラ。


「でも折角サクラと居れるのに寝てたら勿体ねぇから起きる…」



何気無く言うアキラだが、サクラの顔は真っ赤になる。



アキラはずるい。

たった一言であたしの心を大きく揺さぶるんだもん。



「サクラ何時に店行く?」


「今日は17時頃で大丈夫」


「りょーかい。一回家帰る?」


「んーん。平気」



化粧道具は持っていたし、帰るのも面倒だったサクラはそのまま仕事場に向かうことにした。


「あ、でも服昨日のまんまだ」


「俺の適当に着てけば」


「あ、いいの?じゃあそうする」



そういって結局アキラの服を借りることに。


下はさすがにサイズが合わないので昨日履いてたスキニーで、上だけアキラのトレーナーを借りた。



「お昼ご飯はあたしが作るよ」


「お、まじで?」


アキラの目は輝いた。


「味は保証しないけどね?」


「サクラが作ってくれんならなんでもいい」


好きな人に作ってもらう初めての手料理。


「冷蔵庫使ってい?」


「あんま色々無いけどいいなら」


そしてサクラは冷蔵庫を物色し、オムライスを作ることにした。


作っていると部屋中に良い香りが充満した。



「腹減った〜早く食いたい」


「もう出来るよ〜」



半熟卵のオムライスの完成。



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