Bar Atelier
2.近付く距離
次の日からアキラはアトリエで働き出し、1ヶ月も経つ頃にはBlackからアキラを追いかけ流れてきた客も増え、アトリエは更に繁盛していた。
そしてアキラとサクラはかなり親密になり、家も近く一緒に帰る仲になっていた。
「サクラ、今日メシ食って帰ろ」
サクラの髪を弄りながら言うアキラ。
「あたしオスシがいい〜〜!」
「りょーかい」
周りから付き合っていると噂される程、2人の距離は縮まっていた。
「イチャつくなそこ〜」
ニヤニヤしながら言うその子は、アトリエのホールスタッフでサクラの親友の一ノ瀬 葵。
サバサバしていて面倒見も良く美人だ。
「違うよ葵〜///」
「アキラ、知り合いって客来てるぞ〜」
「うぃ〜」
アキラは立ち上がり店に戻っていく。
「相変わらずモテモテね」
葵が嫌味っぽく言う。
「だってアキラかっこいいもんね」
その言葉に溜息をつく葵。
「早く告りなよ」
「だってアキラの周りには美人がいっぱい居るんだもん」
伏し目がちに言うサクラ。
自分の魅力をまったく自覚していない。
(アキラなんて見てたら超分かりやすいのに。サクラにべた惚れじゃん)
そしてその日もサクラは多くの観客を虜にし、お店を閉めたのは夜中の3時頃だった。