先生の彼女です。2nd
咲side
彩花の寝顔を見ていると、彩花のまぶたがピクっと少し動いて涙が流れた
「彩花…?」
「…こないでッ……」
「彩花、どうしたの?」
「…ぁ、いや…いや…!…やめて!」
はじめはただの寝言だと思ったけど、だんだん荒くなっていく彩花の呼吸を聞いておかしいと思った
「彩花、彩花?」
肩を少し揺らすとビクンと反応して逃げるように体を起こした
「ハァ……ハァッ…お母さん…」
「どうしたの…?」
優しく微笑んで彩花の涙を拭うと、私に抱きついてきた
「お母さんッ…やっぱりむりだよぉ…グスン…ヒッグ…こわ、いよ」
「うん」
「強がって大丈夫とか…ヒッグ言っちゃっ、たけどッグスン…やっぱ、むり」
「うん。そうだよね」
「こわ、かったッ…ウック…痛かったよぉ」
「…もう大丈夫だからね。安心して…」
「うわぁぁぁああんッ」
「大丈夫、大丈夫…強がらなくていいから。いっぱい泣いていいから」
しばらく泣きじゃくった彩花は、私の目をじっと見た
「あのね、お母さん…」
「うん?」
「私、強くなる。絶対…強くなるッ」
「うん。がんばれ」
彩花はニカッと笑って最後の一筋の涙を流した