先生の彼女です。2nd
「ケホケホッハァ」



病院が見えてきて更にスピードを上げた





お母さんなんだからしっかりしないと



自分に言い聞かせながら必死に走った








「ッハァッハァ」



やっと院内に入ると待合室にいた人も看護師さんもみんな私を見た





「どうしました⁉︎」




びっくりしている看護師さん





「あ、のッハァッハァ…ケホむ、すめが」




「大丈夫ですよ、落ち着いてください」





「ッハァッハァ」




「娘さん預かりますね。西村さん、小児科の高里先生に連絡いれて!」





そんな看護師さんのやりとりを聞く





もう大丈夫…だよね……?









安心感で力が一気に抜けたと同時に倒れこんだ





「咲ちゃん⁉︎ 大丈夫!?」




涼太先生の声……



「秋本さん!ストレッチャー!」



「あ、はい!」





「咲ちゃん、咲ちゃん聞こえる?いま翔琉先輩に連絡いれるから、落ち着いて深呼吸だよ」




「ハァハァッ…いッたい…!」



心臓の発作も出てきてパニック





「大丈夫、すぐ治すから」




ストレッチャーに乗せられた私はどこかに運ばれた






「ハァハァッ」




苦しい…



涙がこぼれたとき




「咲!」



翔琉の声が聞こえた




「先輩、咲ちゃん心臓の発作と喘息きてます。過呼吸も入ってて熱は40℃近いです」



「わかった、ありがと。ちょっとついてて」



「わかりました」




「咲、咲?聞こえたら手握って?」




そう私の手を優しく握る翔琉の手を握り返した





「よし。辛いだろうけど意識は落とさないでそのままな。がんばれ」




その言葉にもういちど手を握り返した






だけど…








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