君を待ってるから

私がいない凪の昔のことだから、凪にしか分からない。

私には分からないから、それが悔しい。

無理に聞くのはだめだって、分かってる。

けど、一応両思いだし、付き合ってるから、気になる。


ーーねえ、凪、教えて?
言えない理由は、何ですか?


凪が嫌なら、言えるまで待ってるから。

いつかは、言ってくれるよね。

だって、大好きな人だから。

信じてるよ、待ってるよ。


「凪、今度どっか行かない?」

ちょっとくらい、"デート"っていうものをしてみたい。

相手が大好きな"凪"だからさ。

まだまだ子どもな、恋なんて早すぎる小学六年生だけど、私にとっては本物の恋なんだ。

小学校最後の秋。

そして冬が来て、春が来て卒業式になる。

それまでにたくさん凪との思い出を、つくりたい。
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