君を待ってるから

「うそっ、亜里ちゃん告白されたのっ!?」

騒がしい教室に、美紗の声が響く。

「ちょっ、美紗ちゃん、声でかいよ...。」

亜里ちゃんの気まずい表情だ。

「あ、ごめんごめん。びっくりしちゃって...。」

美紗はテヘッと笑ってごまかす。

「誰にどこで告白されたの?」

「いつされたの?いついつ?」

相当気になっているらしい美紗と由季ちゃんは、亜里ちゃんを困らせるほど質問攻めをしている。

「...昨日...の放課後、成瀬くんに裏庭で...。」

そうなると、聞くことはあとひとつしかない。

「返事はなんて言ったの!?」

意気投合した美紗と由季ちゃんの声が重なった。

私はそれがおもしろくて、

「ふふっ。」

と笑ってしまったけど、二人はそれどころじゃないらしい。

< 105 / 138 >

この作品をシェア

pagetop