君を待ってるから
「うそっ、亜里ちゃん告白されたのっ!?」
騒がしい教室に、美紗の声が響く。
「ちょっ、美紗ちゃん、声でかいよ...。」
亜里ちゃんの気まずい表情だ。
「あ、ごめんごめん。びっくりしちゃって...。」
美紗はテヘッと笑ってごまかす。
「誰にどこで告白されたの?」
「いつされたの?いついつ?」
相当気になっているらしい美紗と由季ちゃんは、亜里ちゃんを困らせるほど質問攻めをしている。
「...昨日...の放課後、成瀬くんに裏庭で...。」
そうなると、聞くことはあとひとつしかない。
「返事はなんて言ったの!?」
意気投合した美紗と由季ちゃんの声が重なった。
私はそれがおもしろくて、
「ふふっ。」
と笑ってしまったけど、二人はそれどころじゃないらしい。