君を待ってるから
キーンコーンカーンコーン。
理科室のドアを開けたのと同時に、一時間目始まりのチャイムが鳴った。
「セーフ...じゃ、ないみたいだね。」
アユミちゃんがコソッとつぶやくと、先生の厳しい目線が鋭く突き刺さった。
「何してるんですか!遅刻ですよ!もっと早く来てください!」
先生の怒鳴り声は、思わず私の目を閉ざそうとする。
「すみませんでした...。」
アユミが謝ったから、私はペコリと頭を下げた。
先生は怒り狂っていて、手が震えていた。
「では、実験を始めます。...が、火を使うので大変危険です。くれぐれも、ふざけずに気をつけて行ってください!」
私はアユミと一緒の班。
それはうれしいんだけど...。
クラス一のふざけ者がいて、それにノリノリになる男子もいる。
だからちょっと、不安。
火を使うなんて、火事になりかねないし。