君を待ってるから

「うそっ、火が燃えてる!」

「先生、火が燃えてます...っ!」

私のせいだ…。
私がマッチを落としたから…。
まわりはざわついている。

「何してるの、バケツに水を汲みなさい!早く!」

先生の指示で、アユミちゃんはパッと動く。
それに続いて他のみんなも動く。

「やべ、お前当たったろ!」

「はぁ、オレのせいかよ。お前が押してくるから...。」

みんなが動いているっていうのに、ふざけていた男子たちは罪を押しつけあっている。

「今そんなことしてる場合ですか!」

先生はいつも以上に怒り狂っている。
みんながパニックにおちいっている。

バシャッ。

水をかける音。

カコン。

バケツが床に落ちる音。

騒がしい音が理科室中に響き渡っていた。
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