君を待ってるから
ヤキモチ...。
美紗の言葉が頭によみがえる。
好きな人が他の子と仲良くしてたら妬いちゃったりするものだよね。
元井くんの好きな人は亜里ちゃんなのかな。
「んー...。」
私は何気なく、チラッと拓の方を見る。
「...っ！」
拓もこっちを見ていて目が合った。
私は心臓がドクンとなって、恥ずかしくて目をそらした。
最近思うけど、"好きな人"と聞いて拓が思い浮かぶのは、なんでだろう。
一番に必ず、拓の笑顔を考えてしまう。
まさかとは思うけど、好き...だから？
「...ないない。」
受け入れられなくて、頭をブンブン振る。
でも無駄で、拓は頭の中から離れてはくれない。
そして、拓のあとに浮かんでしまうのはやっぱり...
ーー凪のことだ。
時間は経ったにしても、まだ少ししか経ってない。
慣れてきたものの、まだ少し心の整理がつかないみたい。
