君を待ってるから
「...んん...?」
起きたところは、ベッドの上。
ふかふかで気持ちよくて、安心した。
それは、自分がいつも寝ているベッドだったから。
バッ。
飛び起きたけど、誰もいない。
まぁ、自分の部屋だし、誰もいないか。
おでこの上にのっていた、タオルで包まれた冷たい保冷剤が、枕元にあった。
ふと、思い出した。
誰かの背中にのっていたときのこと。
その"誰か"の顔は見えなかったけど、何となく見覚えがあって。
顔が赤くて、ときどき咳をして、苦しそうだった。
そのとたん、すぐに部屋のドアを開けて一階におりた。
「あら、海華、起きたの?大丈夫?」
お母さんは、テレビを見てのんびりしていた。