君を待ってるから
* * *
好きになったら生まれる気持ちって、いいことだけじゃない。
つらかったり、苦しかったり。
ヤキモチや涙だって生まれる。
それを乗り越えて、笑顔ができるんだ。
「海華?どうかした?」
いつの間にか拓が私のそばに来ていた。
「あ、ううん。何でもない。」
私がごまかしたら、拓は納得できない様子で。
「ふうん」
すねたようなそんな顔をして、横目でこっちを見てきた。
目が合って恥ずかしくて、バッと目をそらした。
「...なぁ、海華ってさ」
「ん、何?」