君を待ってるから
凪は、引っ越しのことを私に話して、決心ができたって。
あと一週間で、凪は引っ越してしまう。
だけどそれまで、いつものようにいよう。
楽しく過ごそう。
なんかぎこちなくて、さびしい。
でも、悲しんでばかりじゃもったいないよね。
一週間は、あっという間に過ぎてゆく。
引っ越しは明後日。
「急ですまないが...、笹原は明後日、遠いところへ引っ越してしまう。なかなか会えなくなるだろう。」
市丸先生が、珍しく真剣な顔で言った。
「ウソ~。」
「先生、騙してますかぁ~?」
最初はそんな声があがっていたけど、時間が過ぎるに連れてみんなも信じた。
「はー、マジかよ。」
「笹原、なんでだよ~。」
と、男子から言葉が出た。
「えー、ウソでしょ。」
「やだ~、あり得ない!信じらんないよ。なんでせんせー言わないの~?」
女子からもブーイング。
「オレが、言う決心できなくて...すいません。」
凪が、また謝る。
すると、美紗ちゃんが、
「そうだよね。美紗だったら言えないもん...。」
と凪の肩を持つ。