君を待ってるから
「...凪。」
もう、こうやって凪の名前がいつ呼べるのかわからないんだ。
凪に私の声が届くことは、ないかもしれないんだ。
「私だったら、追いかけるよ。そして、帰ってくるのをずっと待ってるよ!」
精一杯、答えた。
しっかり返事ができたよ。
凪の目からは、こらえていた涙が出てきた。
「...ありがとな。待ってろよ、"海華"。」
きれいな美しい涙を流しながら。
いつもの意地悪な笑顔で、私の名前を呼んでくれた。
うん、うん...。
何回もうなずいた。
「約束だよ。」
「あぁ、約束な。」
凪は、車に乗りこんだ。
車が動き出した。