君を待ってるから
* * *
「な~ぎっ。どーかしたの?」
オレは、五年生のときに引っ越した。
幼なじみの海華とずっと一緒だった。
けど引っ越して、一緒じゃなくなった。
そして、今。
六年生。
「おーいっ?」
「あ、ごめん。何?」
「えーっ!なんか凪、上の空だね。考えごと?」
新しい学校になじめなくて、話しかけてきたのが、
「秋華は人のことばっかだな。」
小村秋華(こむらあきか)。
今はよく、一緒にいる。
なんか海華に似ている気がして、思い出がよみがえる。
「へっ?何それ~。そーかなぁ。」
秋華は、笑って天井を見上げる。
天井見上げたって、空は見えないのに。
そう思いながらも、オレも天井を見上げてしまう。