君を待ってるから

* * *

「ねえ。美紗ちゃん。」

「ン、何?」

もうわかりきってることだけど、いちおう聞いてみる。

「美紗ちゃんって、凪のこと好きだったんだよね?」

美紗ちゃんは、私の目をじっと見つめて言った。

「...うん、そうだよ。」

やっぱり、そうなんだよね。

いなくなっちゃった人でも、好きだったのは好きだったんだ。

「じゃあ、今でも好き?」

「んー、好き...かな。でもはっきり言えるのは、好きだったのは変わらないってこと。」

そっか。

心の中でうなずいてみる。

「美紗ちゃんと私はライバルだね。」

冗談っぽく言って笑ってみせた。

「ふふ、いつまでなのよ。」

美紗ちゃんも笑った。

「今度からは呼び捨てね。」

「うん。ーー美紗。」
< 28 / 138 >

この作品をシェア

pagetop