君を待ってるから
どうやら、ウワサは本当だったみたい。
何日か過ぎた日、先生が言った。
「明日は、転入生が来るぞー。仲良くしてやれよ~。」
担任の先生は、去年と同じで市丸先生。
五年生から六年生にあがるときは、だいたい持ちあがりなんだ。
「まじかよ、誰ー?」
「男ー?女ー?」
声が上がるのは、男子。
男子の耳には、ウワサが届いていなかったよう。
「男だー。じゃ、授業始めるぞー。」
先生はそれだけ言って、すぐ授業を始めようとした。
教室は少しざわめきながらも、授業が始まった。
次の日、先生の言っていた通り、転入生が来た。
朝、教室はガヤガヤしていて、他のクラスでは朝の会が始まっているころ。
ーーガラガラ。
戸が開いて、先生の後ろに男の子がいた。