君を待ってるから
それから、三人でいるときはほとんど、シホちゃんのことを話すようになった。
悪口も、日に日にエスカレートしていって。
「ほんっと、最低だよね。マヒロの好きな人なのに!」
「うん...、なんか、イトくん気にしてる感じするの。」
「そーなんだー。」
ほんとは、シホちゃんの悪口なんて言いたくなかった。
だけど。
自分のためだった。
「今度から、シホちゃんのこと無視しようよ?」
アイちゃんのこの一言が、いじめのきっかけだった。
マヒロちゃんは、オロオロしながらも否定はしない様子。
ーー私は、否定できなかった。
「ねえ、秋華ちゃ...。」
シホちゃんに話しかけても、スッと通りすぎる。
それがとてもつらくて、心が痛くて。
でも、そうするしかなかった。
シホちゃんは傷付いた様子で立ち尽くしていて。
「秋華ちゃん、どうしたの...。」
なんでこんなことしなきゃいけないの。
やめなよ、やめなって...。
そうやって心の中で言う自分。
自分のためだからやめないで。
って言うもう一人の自分がいる。