君を待ってるから
「何バケツかぶってんの、汚ーい。」
アイちゃんはシホちゃんをバカにする。
マヒロちゃんも笑う。
「もう...やめて...っ。」
シホちゃんがつらそうに言っても、アイちゃんはやめない。
「大体、あんたがマヒロのこと裏切ったのが悪いんでしょ。だよね、秋華ちゃん?」
アイちゃんは私にわざとらしく話を振る。
「うん...そうだね。」
そう答えるしかなかった。
「ほーら、突っ立ってないで。秋華ちゃんもやりなよ。」
そんなのやりたくない。
絶対に。
なのに、
「...うん。」
うなずいて一緒にやる私はバカだ。
臆病で最低で。
でも私は、まだ気づいていなかった。
本当の地獄に。
ーー私に、黒い闇が近づいてきているということに。