君を待ってるから

「オレ、イトの好きな人知ってるぜー。イトから聞いた!」

クラスのみんながざわつく。

次の瞬間、言ったんだ...。

「イトの好きな人、秋華だぜーっ!」

ものすごく大きい声で。

頭が真っ白になった。

心臓の音が早くなったのを感じた。

アイちゃんの目がピクッと動いた。

でも、それ以上反応はなく、真顔だった。

「おい、やめろよっ。オレ、好きな人いねえし!」

イトくんは顔を赤くしながら怒っている。

なんで普通に否定しないの...。

イトくんにイラついてしまった。

「ねえ、アイちゃん...イトくんが好きなのは他の人でっ...違うの。だからイトくんは私のこと...。」

「好きじゃない!」
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