君を待ってるから

「はー、疲れた...。ちょっと待って、凪~。」

凪に疲れた声で言っても、全然止まってくれない。

「ねえ、待ってよー。」

それでも、返事もしてくれない。

「うー。意地悪...わっ!」

油断して、階段から足が外れた。

やだ。落ちるーー。

バシッ。

凪はすぐに振り替えって私の手をつかんだ。

安心すると同時に、怖かった気持ちがぶわっと溢れた。

そして、涙になった。

「...う、ん...。」

涙がひとつぶこぼれ落ちて、凪の手首に落ちた。

「はー。何で泣いてんだよ。...泣き虫。」

凪は、やれやれって様子。

ほんとバカだ、私。

何してんだろ。

何泣いてんだろ。

「ほら、来いよ。」

凪はあきれながらも、私の手を握って階段をのぼった。

すぐ後ろで見る凪の後ろ姿は、きれいでカッコよかった。
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