君を待ってるから

「じゃんけんポンッ!」

一回目で見事に三人抜けた。

しかも、おにの候補の二人の中に私が入ってる。

「拓くんと海華負け~!」

美紗が声をあげた。

私は心の中で、それに反応してしまう。

二人で、じゃんけん。

それがなんか...ドキドキする。

「うわぁー、負けそー...。」

拓くんは、自信なさげに自分の手を見つめる。

何気なくホッとさせてくれる。

「じゃんけんポンッ、あいこでしょっ!」

何回してもなかなか決まらなくて。

あいこが何度も続く。

このあいこになる瞬間が、何ともなく楽しくて。

みんな、"決め方変えよー!"って諦めかけたとき。

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