君を待ってるから

「ーーあいこでしょっ!」

私がチョキで、拓くんがグー。

負け、た...。

「勝ったー...。」

「やっと決まったねー。」

「じゃ、始めよ!」

やっとのことで決まったおにで、おにごが始まる空気になった。

「待って。やっぱオレおにやるよ。」

拓くんが言った。

その笑顔は断れないキラキラな笑顔で。

「えー、それ最初から言ってよ~。」

「そうだよぉ~。じゃあ、三十秒ね!」

美紗と亜里ちゃんから声があがったあと、

「は~、十秒でいいだろー!」

と元井くんが亜里ちゃんにちょっかいを出す。

「間を取って、二十秒な!」

拓くんがその場をなだめてくれたから、

「えぇ~、だって早いもんー。」

とか

「おせぇ~。」

って、みんな言いながらも、おにごが始まった。

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