君を待ってるから
「大丈夫か?」
「...っ大丈夫だよ!」
目の前に拓くんがいて。
焦って心配そうな表情をしていて。
「よかったー。」
そう言ってにこっと笑った拓くんを見ると、途端にホッとして。
「...うぅ...ん...。」
涙が出てきた。
「えっ、どっ、どうしたんだ!?」
拓くんはまた焦った。
それがおもしろくて、次は、
「フフッ。」
と笑ってしまった。
「じゃ、おにご再開な。このことはなかったことで。」
それって、拓くんが私を助けてくれたこと...?
「えっ...。」
そんな私を見て拓くんは、
「おににタッチされたことがなかったこと。早く逃げろよ。助けたことは、感謝しろよな。」
と笑った。
「うん!」
私はまた、泳いで逃げた。
後ろからは、拓くんが笑って追いかけてきていた。