君を待ってるから
日曜。
まだ昨日のアルバムのことが気になっていた。
気づくと、アルバムを手にして浅倉拓くんの写真を見ていた。
そして、月曜になった。
「海華、はよ。」
「拓くん、おはよう。...土曜楽しかったね。」
「ん?あー、プールのことか。だな。」
そうやって言葉のやり取りを当たり前にできること。
普通のことに思うけど、とても幸せなことなんだ。
「ねえ。」
拓くんに聞きたくなった。
「ん、何?」
「好きなものって、何?」
アルバムにのっていた浅倉拓くんの好きなものはりんごだった。
けど、荻早拓くんの好きなものは、りんごだとは限らない。
まさか、りんごなわけーー。
「...りんご。」