君を待ってるから

そんなとき、両親はケンカしてばっかりで。

「...もう、別れましょう!離婚よ!」

「あぁいいよ。勝手にしろ!」

離婚の危機は今までに何度も訪れていて。

お父さんとお母さんは離婚することになった。

後悔した。

こんなことなら、好きにならなければよかったと。

好きになる前に離婚して欲しかったと。

お母さんに引き取られて、お母さんの元の名字の荻早にかわった。

そして引っ越して、お母さんの実家へ行った。

もともと住んでいた場所からは遠いところだった。

お母さんはオレの気も知らずにオレを引き取った。

それに引っ越しした。

ケンカはどっちにも問題がある。

だから正直、どっちに引き取られようがどうでもよかった。

でも違った。

オレを引き取って苦しめたお母さんを憎んだ。

オレを引き取らずに逃げたお父さんを憎んだ。

ケンカばっかして結果的に離婚でオレを傷つけた両親を憎んだ。

大きらいになった。



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