君を待ってるから

「おいし~!」

いつまでもニコニコとケーキ食べてるから、呆れたオレは、

「なぁ、そろそろ勉強しねえか?」

そう提案した。

あくまでも今日秋華は、ケーキを食べに来たんじゃなくて、勉強をしに来たのだから。

「うん...じゃあ、あと一つだけ!」

そう言って秋華はもう三個目のケーキに手を伸ばす。

おいしいのは分かるけど...。

ガシ。

「ダメ。あとは勉強終わってから!」

すぐさま秋華の腕を捕まえた。

「えぇ~、やだやだぁ~!」

文句を言う秋華は、無邪気で子どもっぽかった。

「もう、持って帰っていいから!」

いい加減に投げかけた言葉に、秋華は一瞬で食いついた。

「えっほんと?やったー!」

秋華は素直に喜び、大人しくなった。

「お前、幼稚園児かよ。」

オレは相当、呆れてたけど。
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