君を待ってるから
「ここはこうで、こっちが...。」
これで何度、説明しただろう。
「えーっ、わかんない!」
返ってくる返事は、そればっかりだ。
「だから...他にどーやって説明すれば...。」
勉強を始めて小一時間経ったっていうのに、まだ二番の問題。
しかも、基礎の問題で、それほど難しくない。
算数の問題だけで十五問もあるっていうのに。
「秋華に勉強教えるには、百年早いな...。」
「はっ、ひどーい!」
秋華は口を膨らませて怒っていた。
どんだけレベル高くないといけねえんだよ。
「はぁ...疲れた。」
ネガティブなことを言う秋華に、
「こっちのセリフだよ。」
とつっこんでやった。