君を待ってるから

「なぁ。」

秋華の涙も落ち着き始めた。

さっき聞こうとしたこと、ちゃんと聞いてみる。

「もし大切なやつと離れることになったら、秋華はどうする?」

海華に聞いたのと同じ質問を、同じように繰り返す。

まるで、タイムカプセルかのようだ。

「私は...。」

秋華は、少し考えて言った。

「私だったら、追いかける。大切な人のこと、ずっと待ってるよ。」

そっか、そうなんだな。

心の中で、秋華にうなずいた。

「...ふっ。」

無意識に、笑っていた。

だってさ。

「...オレが好きだったやつとそっくり。」

海華と同じ答えだったから。

秋華と海華は同じじゃないのに、秋華に海華のどこか面影があって。

出会ったときから、秋華とはずっと前から一緒にいたような、そんな心地よさがあった。

「え?何て?」

「ううん、何でも。」

聞こえなかったらしく、聞き直した秋華にもっと微笑ましくなった。
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