君を待ってるから

「秋華、おはよう。」

昨日のことで気まずくなるのは違和感があったから、いつも通り挨拶した。

「あ、うん。おはよう。」

秋華は少し気まずそうだった。

「昨日勉強教えてくれてありがと!」

そのあと、いつものように明るく話しかけてくれた。

だからオレは気にせず、当たり前に過ごした。

それでもやっぱり、気にはしているようだった。

オレが話しかけても上の空だったり、授業中もぼーっとしていて。

秋華のことは、嫌いじゃない。

けど、今までの仲は壊したくない。

返事して失敗するのは嫌だ。

断ったら秋華は傷ついて、もう仲良くはできないかもしれない。

でも、好きだったら好きだったで、気まずくなるかもしれない。

そう思うと、なんか怖いっていうか。

ただ思うのは、告白についてちゃんと話したい。

正直な気持ちで返事をしたい。

「あぁ、うん。また教えてやるよ。」

秋華はなぜか、寂しそうに目を伏せた。

オレ、何かやなこと言ってないよな...?

不思議と焦って、気になった。
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