君を待ってるから
それからオレは、朝から晩まで告白の返事を考えた。
遅くなりすぎてもいけないとは、気にしていた。
「今日でもう金曜日だね。」
そう、今日はもう金曜日。
秋華の何気ないつぶやきが、オレには意味を感じる。
まるで「二日経ったね。」「もう明日は土曜だから会えないね。」と、告白の返事を待っているかのように。
「...そうだな。」
明日には、もう会えない。
二日経ってまた会えるけど、告白の返事はそれほど遅くなる。
告白されてまだ一週間も経ってないけど、秋華のモヤモヤしている気持ちは一日でも早く消してあげたい。
ずっとモヤモヤして普通に過ごせないなんて、そんなの嫌だし。
「...あのさ。」
いつもなら、"なぁ"って話しかけるオレが"あのさ"って言うのは、オレなりに改まってるってことかもしれない。
もちろん、緊張していた。
「何、どうしたの?」
オレの緊張した感じを読み取ったのか、秋華は真っ直ぐにオレの方を見る。
じっと見つめ合うのは照れ臭くて、オレは視線をそらした。
「その...火曜のことだけど...。」
それ以上何て言えばいいか分からなくて黙っていると、秋華はすぐに分かったようで、表情がさらに改まった。
「二人で...人気がないとこで話そう。」
オレと秋華は、教室を出た。