双姫 IV 番外編
" 鬼さんこーちら手の鳴る方へ。 "
パン!
そう言った『双姫』は笑いながら
掌を叩いている。
狭い路地裏に響く乾いた音。
「お前……。」
" おーにさんこちら手の鳴る方へ〜♪ "
まさか、嘘だよな……?
拳を強く握り締め、嘘で欲しいと願う。
「朱音…なのか……?」
頭ん中真っ白なのに
いつの間にかそう口に出していた。
『そ〜だよぉ??』
願いとは裏腹にフードから見えた顔は俺の妹。
でも、何故か別人に見えた。
今迄過ごした朱音じゃないとそう思った。
紘sideEND