双姫 IV 番外編
『……ハァ…落ちないし。』
シャー…
長い時間ほっといたせいか、
服と手に付いた血が中々落ちない。
でも、
排水口に向かう水は血の色に染まっている。
正面にある鏡を見ると、
嫌いな朱と好きな蒼の瞳と目が合う。
ペタッ
鏡に触れると掌にヒヤっと冷たさが伝わる。
『……蒼空、私は間違ってないよね?』
朱を隠し、蒼の瞳に問い掛ける。
そうしてる間にいつの間にか
こびりついていた血は綺麗に落ちていた。