双姫 IV 番外編
「どういう事だ。
朱音に喧嘩を教えたのか!!」
「教えてはねぇよ。
地下に続く階段を見られちまってさ、
それで…何度か見学させてたんだ。」
嘘だろ?
まさか、見ただけでって事か!?
「舜は薄々気付いていたみたい。
紘が『双姫』…朱音を追い掛けた時、
舜が言ったの。」
" 皆さん、帰りますよ。"
" は!?追わねぇのか!!?? "
" 心配しなくとも紘は戻って来ます。
…あの子を連れて。 "
「舜は『双姫』の正体が朱音だって
気付いていたのか…?」
一番近くに居たのは俺だ。
だから、朱音の事を分かっているのは
間違いなく自分だと思っていた。
舜は無関心で、寧ろ遠ざけていた気がする。
いや……だからこそ気付けたのかも知れないな。
紘sideEND