双姫 IV 番外編
『イダダダッ!!』
「当たり前だろ!
ナイフを素手で掴むなんてアホ!!」
あ、アホ!?
『しょうがないじゃん。
そうでもしないと間に合わなかったし。』
「…まぁ、そうだな。
その助けた奴らは族だったのか?」
『あー…さぁ?』
顔もチラ見した位であやふやだなぁ〜。
『でも、あの目は綺麗だったな…。』
「ん?」
『ううん…もう会う事もないと思うから。』
掌が包帯で綺麗に巻かれていくのを
ジッと見詰める。
思えば紘にぃに手当して貰ってばっかり。
「おし!傷は深くねぇけど無理すんなよ。
それと、もう危ねぇ事に首突っ込むな…。」
『…えー……?』
「返事!!」
こ、怖いよ(汗)
『………?』
不意に紘にぃの掌に視線を向ける。
力を込め過ぎて白くなっていた。
『うん…分かった。』
多分、これは紘にぃの癖なんだ。