双姫 IV 番外編
暗闇の中で聞こえる泣き声。
ごめん…ごめんね。
私のせいで泣いてるんだ。
私だけが幸せになろうとしてるから。
「朱音!」
泣き声とは違う声が響く。
でも、その声が聞こえない様に耳を塞ぐ。
駄目…耳を傾けたら。
なのに、声はどんどん大きくなって
耳を塞いでいても聞こえてくる。
耐えられなくなって声がする方向を見ると、
闇の中で一部だけ光り輝いている。
「朱音。」
『紘にぃ…。』
紘にぃの回りに『神龍』の皆や
母さん、父さんその後ろにも誰か居る。
「なーに泣いてんだよ。」
「朱音さんらしくありませんね。」
「ウジウジしてんな!
俺らが居るんだからよ!!」
「可愛い顔が台無しだよ♪」
「朱音…おいで。」
差し出された掌に向かって走る。
『類ッ!!』
その瞬間、光が私の身体を包み込んだ。