双姫 IV 番外編
『ねぇ、類!』
肩に手を置こうとしたら、
ガシッ!
「お前は俺の女だろ。」
腕を捕まれ鋭い眼光で射抜かれる。
ま、まさか…………。
「それとも、まだ分からないか?
俺の教えが甘かった様だな。」
『うひゃあ!充分でございますぅ!!』
即座に後退り、
地面に落ちたコップ拾って嗅ぐ。
それは、間違いなくアルコールの匂い。
「狼様の御降臨〜♪」
『か、天空…なんて事を!!』
読者の皆様…覚えていますでしょうか。
類はお酒を飲むと人格が豹変するのです。
だから、絶対に飲ませないと
心に決めていたのに!
「おい、舜と李樹はどこだ。」
最早、舜ちゃんの事も呼び捨てにしてるぅー!
穏やかだった波が急に激しくうねり出し、
遊んでいた皆もその異変に気付き始めた。