双姫 IV 番外編
蓮斗side
幸せな時間を噛み締めていたら
何やら騒がしくなってきた。
「れーちゃん!あげちゃんと逃げてー!」
切羽詰(せっぱつま)る知念の声が聞こえた。
「今のって知念…?」
朱羽も聞こえたのか
声が聞こえた方向を気にする。
それでも、俺から離れようとしないから
嬉しさが込み上げる。
「ほっとけ…「蓮斗ー!!!」あぁ!?」
折角の良い雰囲気をブチ壊しやがって!
「お前…良い度胸してんなぁ。」
いつもと顔付きが違う湊を睨んだ。