双姫 IV 番外編


「家族も出来て、
仲間も居るのに貴女の心は真っ黒な闇。

それは…あの子が原因ですか?」


指差す方向に目をやると、


『ッ!!』


蒼空が膝を抱えて泣いている。
その姿を見れなくて目を逸らす。


「そうやって逃げるんですか?
自分から。」


え?


『自分…から逃げる?』


もう一度見ると、
掌で覆われていた顔が露(あらわ)になる。


蒼空と思っていたのに
泣いていたのは私だった。


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