双姫 IV 番外編


『ありがとう。
私の代わりに泣いてくれて。』


泣かないようにしてた。
泣いたら…蒼空に悪いと思って。


『ありがとう…ありがとう……。』


そして、ごめんね。
今迄…自分から目を逸らして。

過去の私が居たから今の私が居るって
分かってた筈なのにね。


『もう、離さないから…。』


抱き締める力を強くすると、
腕の中に居た私は涙が止まり…小さく笑った。


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