双姫 IV 番外編
「…それじゃあ。」
『あ……。』
俺の横をすり抜けて彼女は校舎に向かう。
態度に驚いたけど、容姿にも驚いた。
髪は藍色のショートヘアー
瞳の色はグレー
俗に言うカッコ可愛いって感じだ。
「はぁ!?何、あの女!!!」
「アイツって二年じゃない?
來嶋 藍(らいじま あい)
ほら、家がさ…。」
「あー…なるほどね。
親が親なら娘もあんな風に育つんだぁ!」
「天空くぅん!大丈夫ぅ??」
周りが勝手に盛り上がってる。
それでも俺は気丈に振舞って立ち去る彼女から
目が離せなかった。
『…大丈夫、な訳ないよな。』
唇噛み締めて、必死に耐えてるみたいだった。