双姫 IV 番外編
「へへ、こっちには人質が居るんだ。」
「痛っ!離して!!」
周りの男達に「組長」と呼ばれた男が
私を乱暴に引き寄せる。
ガァーン!!
「ぐぁ!?」
いきなり襖(ふすま)が飛び、
それだけで何人か床に倒れた。
「え…どうして……。」
「だ、誰だテメェ!!
どこの組のもんだ!!??」
『俺?俺はね……。』
少し言葉を詰まらせ、
何故か切なげな表情で私を見る。
『俺は『樺沢組』若頭 樺沢 天空。
お前ら、先輩傷付けた代償は重いからな?』
樺沢…?
その名前に聞き覚えがあった。
知らない訳がない。
その名を聞いた周りの男達も
組長も怯え始めていた。
藍sideEND