双姫 IV 番外編


「ちょっと!待ちなさい!!」


後ろから先輩の声が聞こえる。


「ちょっと!聞こえてるんでしょ!?」


うん、聞こえてる。


止まらずに足を進め続ける。


でも…振り振り返るな。

俺は、先輩がヤクザ嫌いだと知っても
自分が何者かも名前すらも名乗らなかった。


『馬鹿だな…俺。』


「待ちなさいったら!樺沢 天空ッ!!!」


ピタッ!


不意に呼ばれた名前に足が止まった。


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