双姫 IV 番外編
「あ、聞きたい事があるんだった。」
『ん?』
「どうして、私をしつこく追い掛け回したの?
遊んでたとは違うみたいだったから。」
鬱陶しいとは思ったけど、
天空が居なかったら私は今日死んでいたかも。
『最初は面白いって感じだった。
でも、藍を知る内に……。』
「…??」
急に話すのを止めて私の顔をジッと見つめる。
『内緒♪』
「はぁ!?」
知りたかった答えは得られず、
私は拗ねてそっぽ向く。
『でも…隙を見せたからには……。』
グイッ!
「キャッ!」
腕を引っ張られ、顔と顔がくっ付く程近くなる。
『それ相応の覚悟はしておいてね?
それと髪伸ばしなよ。
きっと、似合うから。』
その一瞬だけ天空が狼に見えた。